阪神カップ 2017 出走予定馬：レーヌミノル、1400ｍへの短縮は歓迎…前半強気にレースを作って基礎スピードで勝負したい

日程：2017年12月23日(土)
第12回　阪神カップ(GII)　阪神芝内1400ｍ
予想用・出走予定馬一覧


　今年の春には桜花賞で８番人気での勝利と番狂わせの主役、マイル路線では安定的活躍しているレーヌミノルが阪神カップに出走予定だ。秋は秋華賞路線では苦戦もやはり距離、マイルに戻してマイルチャンピオンシップでは４着と存在感を見せた。さらに短縮の1400ｍが舞台となるがフィリーズレビューでも強い競馬、不安は少ない。今年一年を勝利で締めくくれるか。


　まあ今の段階では確証は持てないんだが、基本的には総合力でも前半の基礎スピードを高いレベルで問われた方が良いタイプだろうとは思っている。なので本質的にマイルは若干長くごまかしが利く方が良い。適性のバランス的には1400の方があっていると思う。適性の信頼度だけなら今回は一番かなと。後は重馬場の秋華賞、マイルＣＳと使ってきているのでこの馬もおつりがあるかどうかと突き詰めた時に高速馬場がどうなのか。


●桜花賞(GI)　１着　17頭５枠10番
阪神芝外1600ｍ稍　1:34.5　46.5-48.0 H^1
12.7 - 10.9 - 11.1 - 11.8 - 11.8 - 11.5 - 11.9 - 12.8

　まずこの馬といえばの桜花賞からだろう。この時は稍重だが表記通りか或いはそれ以上に掛かっていた状況。少なくとも標準よりは重く、かなりタフな馬場ぐらいとみている。ペースは1.5でかなりのハイに肉薄、ラップ推移的にはＬ３最速11.5でポテンシャル戦、Ｌ１は消耗している。前半のパワー型基礎スピード面を高いレベルで問われた一戦だ。


　10番枠からまずまずのスタート、様子を見ながら最終的には好位の外目ぐらいで進めていく。道中も折り合って少し離れた３列目の外。３～４角で好位の外からじわっと２列目に取り付いていきながら直線に入ってくる。序盤で仕掛けを少し待ちつつゴーサイン外からくるソウルスターリング相手に直線前半でスッと引き離す。Ｌ１でもしぶとく粘り込んでの完勝だった。


　前半の基礎スピード面を高いレベルで問われたことで後半の末脚勝負の度合いが小さくなった、各馬が末脚を引き出し切れない中で前半のポジションをしっかりとキープ、そこからもう一脚を使ってＬ２で引き離してきた。もちろん減速地点ではあるがＬ２の段階で２馬身差ぐらいあったのを詰めているのでこの馬自身はＬ３－２でそこまで落としていない。ソウルスターリングはここで甘くなったし最後まで詰めきれなかった。この辺りは前半の基礎スピード面の差だと思う。力の要る馬場で前半要素での勝負ができたのが勝因だろう。


●ローズＳ(GII)　９着　18頭５枠10番
阪神芝外1800ｍ良　1:46.3(+0.8)　46.4-46.9 M
12.4 - 10.9 - 11.3 - 11.8 - 12.2 - 12.0 - 11.6 - 11.3 - 12.0

　ローズステークスでは距離の壁にぶち当たった。ペース自体は平均で、好位で進めていく形と悪くはないんだが、このレベルまで来るとこの流れでもトップスピードの質、持続力を高いレベルで引き出してくる馬が多く、前半も重要だったが後半の末脚面も同様に高いレベルを要求されてしまった。いわゆる前後半のバランスを問われた一戦。


　10番枠から五分のスタート、そこから様子を見ながら好位の外で進めていくというのは桜花賞と近い。３～４角でも好位外でファンディーナを見ながら進めて４角でじわっと促しながら直線。序盤でそこから２列目に並びかけたいところだが一瞬の反応でもファンディーナに見劣り甘くジリジリ下がる。Ｌ１でも好位の一角で踏ん張りたかったが外差しの餌食にあって完敗だった。


　この辺りが距離の限界かなと感じた。基礎スピードは高いんだが1800だと流石にコントロールしながらになる。平均ペースで進めても後ろからの馬なら脚を使わされない馬も出てくる。桜花賞では厳しい馬場で46.5で入れば後半は消耗する、前半で脚を使わされた馬が多かった。しかし軽い馬場で46.4で入っても後半は46.9でまとめられてしまう。こうなるとトップスピードの質、持続力をある程度問われてしまったと。好位の外から勝ちに行く形では末脚の絶対量で甘くなったのも仕方ない。マイルでも前半要素を高めないと苦しい馬なので本質的には1800は明確に長いといえる。


●マイルＣＳ(GI)　４着　18頭５枠９番
京都芝外1600ｍ稍　1:34.0(+0.2)　46.7-47.1 M
12.2 - 10.8 - 11.6 - 12.1 - 11.9 - 11.5 - 11.6 - 12.1

　マイルＣＳではタフな馬場になったことと前後半で平均、ある程度流れたことが良かったかなと。ローズＳでは甘かったがマイルでタフな馬場でとなるとこの馬にとってはプラスに働いた面は大きいと思う。対応はできるがトップスピード戦でない方が良いのかなというのは一つ感じた。平均からのＬ３最速で11.5、後半はポテンシャル戦でマイルで前後半のバランスを問われた。


　９番枠からまずまずのスタートを切ってここでは積極的な先行策を見せるかけるが、最終的には控えて好位でという選択を取る。道中も好位の内目で進めて３角。３～４角では２列目の１頭分外で仕掛けを待ちながら直線で外と理想的。序盤でしぶとく伸びるがエアスピネルの瞬間的な脚には見劣って２番手。Ｌ１ではペルシアン、サングレーザーに差し込まれての４着も善戦はした。


　ここはエアスピネルが目立ったので地味なんだが、この馬自身もＬ２の地点で明確に伸びてきている。Ｌ３の４角で内目を立ち回って我慢、Ｌ２の地点でスッと一脚を使うというような競馬はできていたと思う。ただＬ３の地点でも既に11.5と最速ラップをレースラップで踏んでいるぐらいには仕掛けられていたわけで、その流れでＬ２で脚を使って捻じ伏せきれるほど相手が楽ではなかったし、突き詰めれば後半のポテンシャル面がちょっと甘かった。個人的には２列目ぐらいで入ってしまっても良かったと思う。マイルではどうしてもポテンシャル、トップスピードの持続力といった素材面で足りないのがネックになっている感。


●2017阪神カップに向けての展望

　不安もなくはないんだが、例えば桜花賞にせよマイルＣＳにせよ少し渋ってタフな馬場でのパフォーマンス上昇と考えれば、今の阪神の高速馬場での1400が本当に合うのかどうか。個人的に1400の方が良いとは思っているが、高速馬場でハイペースの基礎スピード特化まで行ったときにどうなのかは読みにくい。ドンキと違ってこの馬は明らかに前半が流れた方がパフォーマンスが高いとは思っているので、ドンキよりは1400の基礎スピード勝負は対応できると思うけど、1200のスピード色が強い強敵も今回はいるのでその辺り。ただ上がり切らなければハイペースそのものは適性的に高いし、そこから要所での一脚を使える。同タイプのイスラボニータと比べても前半要素に偏っていて、イスラは逆にこの距離ならトップスピードの質、持続力もトップレベルだと思うがゲートや質の高い基礎スピード面でどうか？という面が出てくる。今の馬場ならレーヌミノルの方がある程度のハイペースまでなら対応（フィリーズレビューのパフォーマンスをどう見るかだがあれでも33.5-35.5で２秒の超ハイ肉薄レベル…１秒程度なら難なくだろう）、前目を獲れる、要所で一脚を使えるという総合力の高さを今回は活かしやすいとみている。信頼度はレーヌミノルの方が上だと思うが、前提としてペースをある程度引き上げイスラより前が欲しい。トップスピードもクイーンＣでも見せたように一瞬は良い脚を持っている。ギアチェンジも含めてＴＳ持続以外の総合力は高いので、とにかくレースを作って後半勝負のウエイトを小さくしつつ要所での一足で抜け出す競馬ができれば。２列目は欲しいね。具体的には34-35ぐらいの感じで２列目が欲しい。



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